吉村さんとの出会い

二十歳の頃の恋愛は、彼女たちの髪の香りに恋してた気がする。

そしてその香りは、同じシャンプーやコロンを使っていても、使う人によって全く別物になることを知ることで僕は大人になっていった。

つまり、表面的な香りを左右する要素の1つは、その奥に隠された香りであることはもちろん、香り以外の多くの要素が香りの感じ方を決定付ける重要なポイントになりうることを、大人になるにつれて解るようになった。

もちろん、温度や湿度などの絶対的な要素もあるけど、彼女が幸せで穏やかな心の時と、不安いっぱいでイライラしてるときでは明らかにその香りは違ってたし、僕の心の状態でも、その感じ方は違った

そしていつか、そんな香りたちに闇雲にときめくことはなくなった。

それは食べ物や飲み物の味や香りについても同じことで、それらを客観的に判断するなんてことは、ほんとに至難の業なのだ。

そしてワインについて、その至難の業をやってのけるのがソムリエと呼ばれる人達!!

さらにそのソムリエの中で、ワンランク上に位置付けられるのが、シニアソムリエ!!

僕が本当にワインに目覚めたのは、そんなある一人のシニアソムリエに出会ってからだった。

『マドンナ』を僕の唯一の女(もう!違うっちゅうのに!!)ワインだと決めて10年。

病院を退職して今の仕事に就いてから、出会いのバリエーションは格段に増えた。

ラジオ番組やイベント参加を通じて、いろんな分野のエキスパートにも数多く出会えた。

中でも、高知の老舗旅館である *『城西館』 に勤務する、 *シニアソムリエの吉村さん との出会い、そして彼が講師を務めるワイン講座への参加が僕のワインに対する(いやワインだけでなく万物に対すると言ってもいいだろう)考え方を一変させた。

そもそも『ソムリエ』なんていうと、形式的な作法みたいなことをしたり顔で語り、「このワインはそよ風の中をかける少女の香りがします!」な〜んて、わけのわからない歯の浮くようなことを低音でしゃべるんだろうってそんな先入観を持ってた。

だから僕も、そんな言葉のバリエーションをいっぱい増やして「このワインは貴女の愛の香りがする!!」かなんか、わけわからんことを言いまくって女性でもくどけたら♪♪って、そんな下心があったようななかったような( ・o・)

ところが、僕と同い年のこのシニアソムリエは、そんな僕の先入観をみごとに打ち砕いたし、またまた僕は大きく人生観を変えられた。

吉村さんは全く飾らない人柄で、初対面なのに昔からの友人に会ったような、そんなリラックスできる空間を演出してくれた。

「知識を増やすことは楽しいし、いろいろ知っておくことは素晴らしいことだけど、それはあくまでもワインを楽しむための1道具でいいと思う。 それぞれの感性で、それぞれの楽しみ方で、大いにワインを好きになってください。」

彼の話は解りやすく、ワインのサービスが始まる前、講義を聞くだけでワインに対する興味がどんどん深まっていった。

講義が終わるとこの旅館の自慢の料理と5個のワイングラスが、目の前のテーブルに並んだ。

まずは2種類の白ワイン♪♪

どちらもすっきりしたのど越しと、後に残る爽やかな酸味と果実味!!

ちがう!! 『マドンナ』とは全然違う!!!

吉村さんは、普段はほんとに極普通の兄ちゃんだが、さすがに『シニアソムリエ』である。

それぞれのワインについての説明になると、これがまたなんともかっこいい♪♪☆☆

鋭い感性と豊富な知識に裏打ちされているからなのか、肩に力を入れて「教えてやる」なんていう力んだ感じなど、みじんも無い。

しかもひょうひょうとした口調で語られる内容は深く、自分が薦めるワインについては実際ぶどうの産地に足を運ぶなど徹底的に勉強していて、その辺からも彼の誠実さが伝わってくる。

質問をしても、極めてていねいかつ明快に答えてくれる!!

そして料理が変わり、いよいよ3種類の赤葡萄酒が、足の長いグラスに注がれる♪♪

少し大人になった僕と、赤ワインとの再会♪♪

はたしてどんな物語が・・・・・o(;-_-メ;)o


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