☆文化放送発全国放送☆
天気図の形も、頬に感じる風も日差しも、確実に春の兆しを伝えてくれるようになってきたね♪♪
今年は年明けからずっと例年になく忙しくて、いつもは走って「行く1月」「逃げる2月」が、なんだか空でも飛んで行ったり逃げたりしてるみたい( ・o・)
でもなんとなく、地に足が着いてないみたいな危うい感じが無いのは、周りの人達の熱い思いの中で、充実した日々を送らせてもらえてるってことかな♪♪☆
2月9日(日曜日)、僕にとっては忘れられない日になった。
東京文化放送をキーステーションに、全国14局をネットして、『ラジオふるさと便』という番組が放送されてる。
週1の生放送のこの番組に、なんと橋本大二郎高知県知事と共に出演させていただき、高知県を全国にPRすることになった。
そもそものきっかけは、昨年11月に東京で開催された『関東高知県人会大懇親会』で歌を聴かれた高知放送東京支社の清水支社長が、強くプッシュしてくださって実現したこと!!
もっと遡れば、高知放送の前ラジオ局長の安藤さんのご紹介で、高知商業高校のOB会に出演させてもらったとき、そこにいらっしゃったのが関東県人会の矢野幹事長さんで、大懇親会への出演を提案してくださった!!
やっぱり「出会いは宝物」なんだよね。
9日当日は、僕の仕事をサポートしてくれてる株ユニゾンの社長でもあり、ラジオパーソナリティーとしても、またプロミュージシャンとしても大先輩の田村和郎(たむら わろう)さんも同行してくださり、お由美丼と3人で、昼過ぎの飛行機で上京した。(機内での心模様は
*2月9日の『今日のつぶやき(いよいよ全国放送☆)』
で読んでいただけます)
ホテルに到着すると、高知放送東京支社のスタッフと合流し、休む間もなく打ち合わせ。
文化放送で作られた台本を、僕とはもう15年の付き合いになる東京支社の西岡さんと和郎さんが読んでくれて、その要点を僕が点字で書く!!
キー局には構成作家といわれる人が居て、パーソナリティーがしゃべる台本を作ってることは知ってたけど、全く野放し状態のフリートークを10年以上やってきた僕は、その台本の細かさに唖然とした。
しゃべりの台本っていうより、お芝居のせりふを書いたそれに近い感じを受けた。
たとえば
A 「こんなに暖かいと、うちのプライベートビーチで泳ぎたくなりますねー」
B 「プライベートビーチなんて有るわけないじゃないですか」
A 「あっ! ばれたか〜!」
っとまー、ほとんどこんな感じのやり取りまで、きっちりと原稿化されてる!!
台本を丸ごと全て点訳すると、おそらく100ページにはなるだろうし、僕の点字朗読力で、これをネイティブな会話口調で読むことは不可能に思えた。
一気に緊張が高まって、胸が苦しくなってきた。
点字タイプライターを叩く手は汗でびちょびちょになった。
「ある程度頭に入れておいて、要点だけメモしておけばなんとかなるよ。」
「アドリブも全然OKだからね!!」
和郎さんと西岡さんのアドバイスも、この時の僕の不安を完全に取り除くほどの効果はなかった。
スポンサードの部分で、いかにも原稿を読んでしゃべってるようなしゃべりをするわけにはいかないし、かといって内容を全て暗記するには、もう全く時間なんて無い。
しかもアドリブでしゃべろうにも、ほとんど10秒単位の時間が書き込まれていて、それに合わせてアドリブを入れる自信もない!!
軽く食事に出たみんなと別れてホテルの自室に1人でこもり、朗読してもらった台本を思い出しながら、時間が許す限り、自分が書いた点字を何度も何度も繰り返し読んだ。
ジャルシティーホテルから文化放送までは、歩いて10分余り。
不安いっぱいの心と体に、都心の風は思いのほか爽やかで、上気加減の頬を気持ちよく冷ましてくれた。
文化放送に入って最終の打ち合わせを済ませ、スタジオに入ったのは6時過ぎ。
本番まではまだ30分以上もある!!
生歌を歌うための簡単な音合わせを終えると、また点字に指を這わせる。
本番10分前くらいだったか、知事がスタジオに入られた。
*スポンサーから届いたイチゴに手を伸ばす知事や和郎さんと談笑する笑顔の堀内佳(写真)
メールのお礼など申し上げながら、文化放送の太田英明(おおた ひであき)アナとアシスタントの白須賀亜樹子(しらすか あきこ)さんも交えて、本番開始時間まで談笑した。
*本番前のスタジオ内の風景を、副調室からガラス越しに撮影(写真)
写真はガラス越しでフラッシュの反射もあるし、画面もやや暗いけど、雰囲気は分かってもらえるかな(^^)
午後7時、いよいよ本番スタート。
オープニングはほとんどフリートークで、しゃべり始めるとしだいに緊張がとれてきた。
しかし、導入部分が終わり最初のCMが明けると、いよいよ僕の第1関門であるクイズのコーナーが始まった。
高知県に関するクイズを僕が出題するんだけど、僕が問題を作ってきたという設定だから、「原稿を読んでる」っていう感じになるのはまずい!!
1問目を出題して解答を待ってる間に、次の問題を読む練習をする。
そのうち解答が出ると、急いで次に出題する問題の頭に指をもっていく!!
6つの点を組み合わせた小さな文字を、1文字1文字指で確認して読んでいく点字の場合、1度目的の文字から指を離すと、再びその文字を捜すのに微妙に時間がかかったりして、どうしても不自然なしゃべりになってしまう!!
僕の指が紙の上を泳いでいるのを見ると、太田アナがすかさずフォローをしてくれるけど……
「この文だと各スポンサードのコーナーは……!!」
自分で自分を追い込んでしまって、どんどん度坪にはまっていく!!
CMのあいだに気持ちを切り替えようとしたけど、1分時間が押していることが分かって、またまた緊張!!
もういっそ覚えてる限りアドリブでいこうと開き直ったつもりだったのに、今度は言い慣れたホテルの名前を噛んでしまったり、打ち合わせで「最近はJAというところが多いけど、ここだけは農業協同組合だからね」と念押しされてたのに、しっかり「JA…」と言ってしまったり……(..;)
極めつけは、スポンサーの1つであるホテルで、今まで3回開催したディナーショーを、何を血迷ったか「2回」などと言ってしまう始末(; ;)
これはまずいと台本に戻ろうとするも、また例によって目的の文字に指がたどり着かない!!
泳ぐ僕の指を見て、アドリブの質問や僕が言うべきせりふをしゃべって繋いでくれようとする太田アナと絡みながら、なおも指は台本上の目的の文字を捜す!!
当然のことながら言葉はまとまらず、少しずつ時間が押していく!!
2分40秒まで縮めた『自分 生活 美しい』、3分10秒まで縮めた『回想 円行寺口駅にて』の2曲の歌の部分だけが、唯一楽にクリアできた感じだった。
そんな自分のふがいなさを痛感するほどに、知事のすごさを改めて実感した。
最終的に予定を5分近くオーバーし、番組の最後に予定されてた、知事が5分間これからの高知を語るコーナーが、なんと1分しかとれなくなった。
申し訳なさそうにそのことを知事に伝えるディレクターに、穏やかな声で「大丈夫ですよ!」と応える知事!!
そのコーナーの知事のトークは、とても縮めているとは思えないものだった。
話すべき内容は全て網羅されていて、しかもまったくあわてずゆっくりとした口調で話された。
僕だったらどうだろう!!
予定の時間が短くなると聞いた瞬間から緊張し動揺し……!!
早口になり、しかも必要なことが飛んでしまって、結局何も伝えられない……!!
実際にそんなことを何度となく繰り返してきた僕には、元NHK記者のこの橋本大二郎という人が、ものすごく偉大に思えて鳥肌が立った。
放送終了後、高知放送と文化放送のスタッフ20人ほどで軽く打ち上げをした。
文化放送のスタッフの皆さんからは、思いもよらないお褒めの言葉を沢山いただき、次の全国放送出演の話まで出た。
今回強く推薦してくださった清水支社長からも温かいねぎらいのお言葉をいただき、恐縮しながらも一安心した。
そして何より嬉しかったのは、全国から沢山のfaxやe-mailをいただいたこと!!
しかもそのメッセージのほとんどが、高知や、番組内で紹介した場所に、是非行ってみたいというものだったこと!!
根っからのお調子者である堀内佳は、落ち込んでいたのが嘘のように、酔うほどに楽しくグラスを重ねていった。
最後に一言。
「構成作家なんて、そんなパーソナリティーの個性を潰すような仕事はいらな〜い!」なんて思ってたけど、その考えは少し変わった。
構成作家という仕事は、パーソナリティーやゲストのキャラクターをちゃんと把握してないとできない!!
たとえば今回なら、全く見ず知らずの高知に住む堀内佳というゲストについて、その生い立ち・現在の仕事・キャラクター・しゃべり方etc.……
事前にそれらをしっかり勉強してないと、あんな細かな台本なんて書けないよね!!
その作家さんとも話をすることができたけど、彼もまたプロの顔で、全精力を傾けてこの仕事に取り組んでる!!
彼の話を聞きながらそんなことを考えるうちに、パーソナリティーの個性を殺すどころか、それを生かそうと必死にがんばってるこの人達も、また素晴らしい仲間なんだと思えるようになって、思わず気持ちを込めて彼とグラスを合わせた。
ところで、アシスタントのあきちゃんからメールをいただき、ご家族がラジオを聴いてくれてて、どうしても高知に行きたいと思ってくれたとのことで、早速今月中の高知旅行が決定したという!!
その他にも、県外の方からのメールで、「番組内で紹介した場所に興味がわいたから是非行きたい」とか「プレゼントがどうしても欲しくて葉書を出した」とか、ほんとに嬉しい感想を沢山いただくにつけ、今回参加させていただいたことを、改めて心から幸せだと思う。
強く推薦してくださった清水支社長、少しでも僕がやりやすいようにと力を注いでくれた西岡さん、ユニゾンの社長としてパーソナリティーの先輩としてサポートしてくださった和郎さん、そして突然の足の激痛をおして同行し、特に弱い精神面で支えてくれたお由美丼、皆さんのおかげさまで、僕のようなものがこんな貴重な経験をさせていただくことができました。
そして、いたらない僕を上手にリードしてくださった、太田アナやあきちゃんを初めとする文化放送のスタッフの皆さんにも、この場を借りて心からお礼を申し上げます。
みなさん、本当にありがとうございました。
『思い』の目次に戻ります
ご案内ページに戻ります
|